第二次世界大戦を引き起こした原因の一つとして、当時のナチス政権は合法的な選挙によって選ばれた政権であったことは広く知られています。しかし、その合法的な政権掌握の過程について、私たちはどの程度理解しているでしょうか。振り返れば、民主国家として主権者たる国民の意思を憲法に掲げる現代の日本においても、全体主義的な判断が主権者である国民の意志を無視してなされる危険性は払拭されたのでしょうか。
ドイツの政治哲学者カール・シュミットは、第二次大戦前後のドイツにおいて、「例外状態」における政治判断が主権者を超えて行われる状況について論じました。民主国家において、主権者の判断が通常の手続きに従えない緊急時において、一部の権力者による拙速な判断が続く可能性は、現代日本においても十分に起こり得る危険性を孕んでいます。
この研究会では、ディスカッションをつうじて、平常心の構想ということも考慮しつつ深く考察していきたいと考えています。関連文献は多々ありますが、参加にあたり事前読書や発表などの準備は課されません。お気軽にご参加ください。
2025年9月13日(SAT)14:00-17:00 第1回研究会
2025年11月未定
2025年12月 6日(SAT)2025第11回大会でラウンドテーブル